コマンド操作系の一覧
前回に続いて、ターミナル操作コマンドを説明する。
Windows, MacのCUIコマンドを比較しながら習得を目指す。
今回は、Macだけが対応しているコマンドに特化する。
- コマンドに別名をつける
- 引数を変えながら複数回実行
- コマンド格納先を調べる
- 音声の出力
- 花文字の表示
- カレンダーの表示
- スケジュールの表示
- 電卓の実行
- 画像データの加工
- コマンド検索
- コマンド実行時間の計測
コマンドに別名をつける
Windows :非該当Mac :"alias [別名] ='コマンド' "
"alias"コマンドを用いて、別名(=エイリアス)を付与できる。
オプションや引数を含めて別名を付与できるため、
オリジナルコマンドが生成できる。
補足:別名の削除
"unalias [別名]"を実行する引数を変えながら、コマンドを複数回実行
Windows :非該当Mac :"apply [-引数の数] [コマンド] 引数セット1 引数セット2..."
一つのコマンドに対して、複数の引数セットを繰り返し適応できる。
引数の数が一つの場合、指定を省略可能。
コマンド格納先を調べる
Windows :非該当Mac :"type [コマンド名]"
Macのコマンドは、組み込みのものと実行ファイルで提供されているものがある。
それぞれのコマンドの保存場所を調べるコマンドが"type"である。
組み込みコマンドの場合、「[コマンド名] is a shell builtin」と表示される。
類似コマンドに"which"コマンドがあるが、この場合、組み込みコマンドに対して
何も表示されない。
音声の出力
Windows :非該当Mac :"say [文字列]"
指定した文字列を読み上げる。
基本的に英語だが、Mac OS X 10.7以降では日本語も対応。
英語モードでもローマ字表記すれば日本語で読み上げが可能。
尚、声の選択肢は"システム環境設定 > テキストの読み上げ"の
[システムの声]を見るとわかる。
花文字の表示
Windows :非該当
Mac :"banner [文字列]"
「#」を並べた拡大表示(=花文字)を表示。
指定可能文字は、大文字・小文字のアルファベット、一部の記号が使用可能。
但し、「<」「>」「[」「]」「¥」「^」「_」「{」「}」「|」「~」は使用不可。
カレンダーの表示
Windows :非該当
Mac :"cal [[月] 年]"
年月を指定するとその月のカレンダーが表示される。
オプションや引数を付与せずに実行すると、今月のカレンダーが表示される。
スケジュールの表示
Windows :非該当Mac :"calendar"
事前に"~/.calendar"ディレクトリに"calendar"ファイルの準備が必要。
スケジュールは、「日 月 内容」の順に記述し、「日」「月」の間は半角スペース、
「月」「内容」の間は[tab]を入れる。
尚、あらかじめ用意されているカレンダーファイルを"#include [ファイル名]"で
インポートして表示することも可能。
- 有名人の誕生日 :calendar.birthday
- コンピュータ関連の記念日 :calendar.computer
- 歴史上の出来事 :calendar.history
- USの休日 :calendar.usholiday
電卓の実行
Windows :非該当Mac :"bc [ファイル名]"
対話形式で計算を行い、"quit"で終了。
数式を指定すると計算結果が表示される。入力順に計算を行う電卓とは異なり、
通常の数式と同じように「*」や「/」が「+」や「-」より優先され、「( )」を
つけると優先順位が上がる。
オプションなしで起動すると計算結果の小数点以下は切り捨て。
小数点の計算を行いたい場合は、"-l"オプションをつける。
またファイルを指定することで、そのファイルに書かれた式を実行する。
"bc"コマンドは、"echo"で出力した式を計算するフィルタとしても使える。
画像データの加工
Windows :非該当Mac :"sips [返還前ファイル名] --out [返還後ファイル名]"
様々な機能を持った画像加工コマンド。
各オプションによって、画像形式の変換、上下左右の反転、
回転、リサイズを行う。各オプションは以下に列記。
- "-s format" :画像形式 指定した画像形式に変換
- "-f horizontal" :左右に反転
- "-f vertical" :上下に反転
- "-r [角度]" :指定した角度分、時計回りに回転
- "-z x y" :縦xピクセル、横yピクセルにリサイズ
コマンド検索
Windows :非該当Mac :"apropos [キーワード]"
[キーワード]に関連したコマンドを検索する。実際には"whatis"DB内を検索する。
"whatis"DBは、オンラインマニュアルからコマンドなどの概要部分を
ピックアップしたもの。
コマンドの実行時間を計測
Windows :非該当Mac :"time [コマンド]"
表示結果の上から順に、
- real :実際にかかった時間
- user :コマンドのプログラムが消費した時間
- sys :システムが消費した時間
XP, Server 2003にインストールした場合のみ使用できるコマンドである。
現在、PowerShellの"Measure-Command"で実行時間が計測できる。